今回取材した会社は九州北部に拠点を置く、従業員数500人規模の工作機器部品メーカーだ。
各種のマシニング加工機、ロボットなどを使い、様々な種類の部品を製造している。
工場ではトレイに置かれた円錐形の部品をロボットのアームが掴み、
一定のパターンの動きをしながら隣のトレイへと移しているトレイが隙間なく並べられたラインは圧巻の一言だ。
創業から半世紀以上の歴史を誇る会社だが、会社の大きな問題として、生産管理の問題を常に抱えていた。
各種の機械の稼働状況には大きなバラツキがあり、
また稼働状況の全体像を把握する事はおろか、個別の機械の稼働時間すら把握出来ていなかった。
稼働状況を把握するために作業日報を紙で提出させ、週単位での集計を試みたが上手くいかず生産効率を改善するどころか
現時点での立ち位置すらわからないといった有様だった。
そんなある日、転機は突如訪れた。
ある取引先から生産管理をIoTでシステム化し、稼働状況を見える化するようにアドバイスされたのである。
同時にアソディーノグループが紹介され、同社の「UEKI」が工場に導入されることになった。
「UEKI」はクラウド接続型の小型IoTデバイスで、データへアクセスしたりモニタリングすることを可能にする。
「UEKI」導入のメリットは早速現れた。
まず、機械の稼働状況がリアルタイムで確認できるようになった。
トラブルなどの異常時の対応も、極めてスピーディーに行えるようになった。
また情報の共有が迅速に行えるようになった。
紙ベースで情報を集計していた以前と違い、今ではデータにアクセスし、
機械の稼働時間や稼働率といった情報がいつでも入手可能になった。
さらに生産管理情報も共有されるようになった。
例えば出荷後にクレームが発生した場合でも紐づけがいつでも出来、トレーサビリティが大きく向上した。
この会社はIoTを活用してインダストリー4.0を体現する企業となった。
今では九州はおろか、日本を代表する業界のゲームチェンジャーとなりつつある。